電工二種

電工二種の計算問題は捨てていい?配点から考える「拾う計算」と「捨てる計算」

結論:全部は捨てない。「基本の式1つで解ける問題」だけ拾う

第二種電気工事士の学科は、合格基準点が60点(受験案内による。50問の6割、30問の正解が目安)で、科目ごとの足切りはありません。だから、計算問題を全部落としても、ほかで6割を取れば合格の目安に届きます。

ただ、計算問題を全部捨てると、残りの問題で取りこぼせる数が少なくなり、本番で苦しくなります。おすすめは、基本の式を1つ覚えれば2〜3段で解ける問題だけ拾い、何段階も計算する問題は飛ばすことです。

計算が中心になるのは、基礎理論と配電理論・配線設計の2科目で、出題の目安は合わせて約10問(資格転生の分析、回によって前後)です。

拾う計算:基本の式1つで解ける4つの形

1. オームの法則と合成抵抗

電圧=電流×抵抗(V=IR)。直列なら抵抗を足し、2つの並列なら「掛けて、足したもので割る」。

抵抗10Ωと40Ωのヒーターを並列につなぎ、合計10Aが流れている。40Ωに流れる電流は?

並列の合成抵抗は 10×40÷(10+40)=8Ω。電圧は 10×8=80V。40Ωに流れるのは 80÷40=2A です。並列では、抵抗が大きいほうに流れる電流が小さくなります。

2. 電力は「電圧の2乗」で効く

電力は P=V×I=V²÷R。抵抗が同じなら、電圧が半分になると電力は1/4になります。

定格「200V・2kW」のヒーターを100Vにつないだときの電力は?

抵抗は 200²÷2,000=20Ω。100Vなら 100²÷20=500W。「半分の1,000W」は、電力が電圧に比例すると思い込んだときの誤答です。

3. 熱量は「電力×秒」

熱量(J)=電力(W)×時間(秒)。1時間は3,600秒です。

接続部のゆるみで0.2Ωの抵抗ができ、15Aが1時間流れた。出る熱量は?

電力は 15²×0.2=45W。熱量は 45×3,600=162,000J=162kJ。時間を「分」で計算すると、ずれた答えになります。

4. 単相2線式の電力損失は「2I²r」

電線が行きと帰りの2本あるので、電線1本で失われる電力 I²r を2倍します。

電流20A、電線1本の抵抗0.15Ωの単相2線式で、電力損失は?

2×20²×0.15=120W。2倍を忘れると60Wになります。

捨ててよい計算:何段階もかかる問題

次のような問題は、慣れるまで時間がかかります。本番で手が止まったら、印をつけて後回しにし、最後に時間が余ったら戻ります。

  • 三相交流で、Y結線とΔ結線を行き来しながら電流を求める問題
  • 交流回路で、インピーダンスと力率を両方出してから電力を求める問題
  • 単相3線式で、中性線が切れたときの電圧の偏りを求める問題

もちろん、時間に余裕がある人は挑戦してかまいません。ただ、ここに時間をかける前に、配線図と暗記の科目で取りこぼしがないかを先に確かめます。配点から見た進め方は「第二種電気工事士の学科の勉強時間と進め方」で紹介しています。

計算でよくある間違い

  • 単位の変換:MΩ を Ω に直すときの桁、kW を W に直すときの桁
  • 2倍の忘れ:単相2線式の電力損失
  • 時間の単位:熱量は「秒」で計算する

資格転生の問題では、誤りの選択肢にこの間違い方をした答えを入れています。間違えたときは、どの間違い方だったかを1行で書いておくと、次は引っかかりません。

まとめ

  • 計算は全部捨てない。基本の式1つで解ける問題だけ拾う
  • 拾うのは、オームの法則・電力・熱量・単相2線式の電力損失
  • 何段階もかかる問題は後回しにして、配線図と暗記の科目を先に固める

過去問や問題集を点に変える使い方は「電工二種の過去問の使い方」で、試験の概要は第二種電気工事士(学科)のページで確認できます。

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