なぜガソリンに静電気が溜まるのか

静電気は、物どうしがこすれたり、液体が配管やノズルを流れたりすると発生します。発生した電気は、電気を通しやすい物なら逃げていきますが、電気を通しにくい物には溜まります。

ガソリンなど第4類の危険物の多くは、電気を通しにくい液体です。だから流すだけで静電気が溜まりやすく、その放電の火花が蒸気に引火するおそれがあります。

静電気が発生・蓄積しやすくなる3つの条件

  1. 電気を通しにくい(不良導体)
  2. 乾燥している(湿度が低い)
  3. 速く流れる(流速が大きい。液体が落下したり噴き出したりするときも多く発生する)

「雨の日のほうが危ない」「ゆっくり流すほうが危ない」のように、条件を逆にした説明には注意してください。3つを「通しにくい・乾燥・速い」とセットで覚えておけば見抜けます。

対策は条件の裏返し

溜まる条件 対策
電気を通しにくい 接地(アース)して大地に逃がす。導電性の材料を使う
乾燥している 湿度を上げる
速く流れる 流速を抑える

もう1つ大事なのが、接地は「溜まるのを防ぐ」もので、「発生」そのものは防げないという点です。だから流速を抑えるなどの対策と組み合わせます。

人の体も帯電します。化学繊維の服は帯電しやすく、木綿の服は帯電しにくい。セルフ式のガソリンスタンドで、給油の前に除電シートに触れるのは、体に溜まった静電気を逃がすためです。

法令の問題にもつながる

タンクローリー(移動タンク貯蔵所)でガソリンなどを出し入れするときは、接地をすることが決められています。上から注入するときは注入管の先をタンクの底に着ける。これも「液体を落下させない=静電気を発生させにくくする」ための決まりです。物理・化学で覚えた理屈が、法令の問題でもそのまま使えます。