過去問で落ちる人の共通点は「答えの番号を覚えている」
乙4の勉強で、過去問や問題集を何周もする人は多いと思います。それ自体は正しいやり方です。ただ、何周もするうちに問題文を見ただけで答えの番号が浮かぶようになったら注意が必要です。
本番では、同じ知識を問う問題でも、言い回しや選択肢の並びが変わります。答えの番号で覚えていると、そこで崩れます。一度落ちた人が「問題集では満点だったのに」と言うのは、このパターンが多いと考えています。
正しい使い方:選択肢ごとに「なぜ」を言う
1問を解いたら、正解の選択肢だけでなく、誤りの選択肢それぞれが、なぜ誤りなのかを1行で言えるか確かめます。
例として、次のような問題を考えます。
アセトンとガソリンは、どちらも第1石油類なのに、指定数量が違うのはなぜか。
答えは「アセトンは水に溶ける(水溶性)ので400L、ガソリンは水に溶けない(非水溶性)ので200L」。ここで止めず、次のように広げます。
- 第2石油類も同じで、非水溶性1,000L・水溶性2,000L
- 第3石油類も、非水溶性2,000L・水溶性4,000L
- つまり、第1〜第3石油類では、水溶性は非水溶性の2倍(第4石油類と動植物油類には水溶性の区分がない)
1問から、似た問題3〜4問分の知識が手に入ります。これが「過去問を理解で解く」ということです。
何回解けばいい?
回数より、状態で決めます。
| 状態 | 次にやること |
|---|---|
| 間違えた | 解説を読み、誤りの理由を1行で言えるようにする。数日あけてもう一度 |
| 正解したが、理由があいまい | 「たまたま正解」として、間違えた問題と同じ扱いにする |
| 2回続けて、理由まで言えて正解 | 卒業。もう解かなくてよい |
全部の問題を同じ回数だけ回すより、卒業していない問題だけを回すほうが、短い時間で穴が埋まります。
科目ごとの使い方のコツ
法令:数字は「どこまでが範囲か」まで
法令は数字の問題が多い科目です。たとえば第4石油類は「引火点200℃以上250℃未満」。では、引火点260℃の潤滑油は? 答えは「第4類の危険物に当たらない」です。範囲の端を問う問題は、数字の「以上・未満」まで押さえていないと解けません。
物理・化学:計算は式の意味から
計算問題は、答えの数字ではなく、どの式を使うかを覚えます。熱量の計算は「乙4の熱量計算 Q=m×c×Δt を「意味」で解く」で解説しています。
性質・消火:「なぜその消火剤か」をセットで
性質・消火は、物質と消火方法の組み合わせを問う問題が多い科目です。たとえば、泡が重油の火災に効くのは、泡が軽くて油の上に浮き、液面を覆って空気を断つ(窒息効果)からです。仕組みがわかれば、「水溶性の液体には普通の泡が溶けて壊れるので、耐アルコール泡を使う」という次の知識にもつながります。
仕上げは本番と同じ形で
試験前の1〜2週間は、本番と同じ形で解く練習を入れます。乙4は法令15問・物理化学10問・性質消火10問の計35問、五肢択一で、試験時間は2時間です(消防試験研究センターの公表)。
- 35問を2時間で通して解く
- 採点は科目ごとに。合計点ではなく、3科目それぞれ6割を超えたかを見る
- 6割に届かなかった科目は、残りの日数でそこだけを回す
合計点が高くても1科目が6割未満なら不合格です。この仕組みは「乙4の足切りとは?」で説明しています。