電工二種

電工二種の竣工検査の順番。目視→絶縁抵抗→接地抵抗→導通→通電

竣工検査は5つ。順番は「見る → 測る → 送る」

竣工検査は、電気工事が終わったあと、引き渡す前に行う検査です。一般用電気工作物(住宅や小さな店舗の電気設備)では、次の順番で行います。

  1. 目視点検
  2. 絶縁抵抗の測定
  3. 接地抵抗の測定
  4. 導通試験
  5. 通電試験(試送電ともいう)

5つを丸暗記するより、3つのまとまりで覚えると崩れにくくなります。

まとまり 検査 電気を送るか
見る 目視点検 送らない
測る 絶縁抵抗・接地抵抗・導通試験 送らない
送る 通電試験 送る

資格転生の問題では、竣工検査を次の3つの形で練習します。

  • 5つの検査の順番を選ぶ
  • ある不備を見つけるのに合う検査を選ぶ
  • 検査と、そこで使う物・分かることの組み合わせを選ぶ

どの形でも、「その検査で何が分かるか」を言えれば解けます。この記事は、その順で整理します。

なぜ通電試験が最後なのか

絶縁が悪いまま(電線の被覆に傷がある、電線が金属に触れているなど)電気を送ると、漏電や短絡(ショート)が起きます。感電・火災・機器の故障につながるおそれがあります。

だから、電気を流さない検査で安全とつながりを確かめてから、最後に電気を送る。これがこの順番の理由です。順番を問う問題で迷ったら、「通電試験より前に、電気を流さない検査が全部すんでいるか」を確かめます。

1. 目視点検:測定器を使わずに見る

測定器を使わずに、目で見て確かめる検査です。

  • 使っている電線・器具の種類や太さが図面どおりか
  • 器具に電気用品安全法の表示(PSEマーク)があるか
  • 接続・支持・取付けの状態

たとえば、分電盤に表示のない配線用遮断器が付いていれば、目で見て見つけられます。逆に、絶縁抵抗の値や接地抵抗の値、壁の中の断線は、見ても分かりません。

隠れる配線は「隠れる前」に見る

天井や壁の中を通す配線(隠ぺい配線)は、天井板や壁を張ると見えなくなります。目視点検は、張る前の、配線が見える段階で行います。

2. 絶縁抵抗の測定:電気が漏れないか

絶縁抵抗計で、電線と大地の間、電線と電線の間に電気が漏れないかを測ります。測る回路は停電させ、絶縁抵抗計から電圧をかけて測ります。

この検査で分かるのは絶縁の良し悪しだけです。配線が正しくつながっているかは分かりません。

壁や天井の中に隠れてしまったケーブルの被覆の傷も、目では見えませんが、この検査なら電気を送る前に見つけられます。

基準の値(0.1・0.2・0.4MΩ)と、電線相互間を測るときの「負荷を外し、スイッチは入れる」は「電工二種の絶縁抵抗の値と測り方」でまとめています。

3. 接地抵抗の測定:接地がきちんと効くか

接地抵抗計で、接地極と大地の間の抵抗を測ります。接地極・接地線が正しく施工され、値が基準の範囲に入っているかを確かめます。

たとえば、コンセントの接地端子から出た接地線が接地極につながっていなければ、測った値が異常に大きくなるので気づけます。

C種・D種の基準の値と、E・P・C の並べ方は「電工二種の接地工事の種類」と「絶縁抵抗の値と測り方」で解説しています。

4. 導通試験:電線がつながっているか

配線が図面どおりにつながっているか、途中で切れていないかを確かめる検査です。回路計(テスタ)の抵抗レンジやブザーを使い、配線の両端の間がつながっているかを調べます。

ここで大事なのは、電源を切った状態で行うことです。導通試験は「電気を送る前に」つながりを確かめるための検査で、電気を送って確かめるのは次の通電試験の役目です。

2か所で同じ照明を点滅させる3路スイッチの配線が、電気を送る前に正しくつながっているかを確かめたい。こういう場面で使うのが導通試験です。

5. 通電試験:電気を送って動作を見る

最後に電気を送り、照明・スイッチ・コンセントなどが正しく動くかを確かめます。

  • スイッチで照明が正しく点滅するか
  • 漏電遮断器のテストボタンを押して、遮断器が切れるか(電気が来ていないとテストボタンは働かないので、この段階で行う)
  • コンセントなどの器具が正しく動くか

通電試験で初めて電気を送るので、ここまでの検査で絶縁や接地、つながりの不備をつぶしておくことが前提になります。

使う物で覚える

名前の似た測定器を取り違えると、組み合わせの問題で落とします。検査と使う物を1対1で覚えます。

検査 使う物 そのとき電気は
目視点検 測定器は使わない(目で見る) 送らない
絶縁抵抗の測定 絶縁抵抗計 停電させ、計器から電圧をかける
接地抵抗の測定 接地抵抗計 送らない
導通試験 回路計(テスタ)の抵抗レンジ、ブザー 電源を切る
通電試験 器具やスイッチを実際に動かす 送る

「絶縁抵抗計」と「接地抵抗計」は、名前が1字違いです。漏れを測るのが絶縁、接地極を測るのが接地と、言葉の意味から結びつけておきます。

どの不備を、どの検査で見つけるか

学科では「この不備を見つけるのに適した検査はどれか」という形でもよく問われます。検査ごとに「分かること」を1つに決めておくと、組み合わせの問題で迷いません。

不備の例 見つける検査
PSEマークのない器具が付いている 目視点検
壁の中のケーブルの被覆が傷つき、大地との間の絶縁が悪い 絶縁抵抗の測定
接地線が接地極につながっていない 接地抵抗の測定
壁の中で電線が途中から切れている(電気を送る前に調べたい) 導通試験
3路スイッチの結線違いで、片方のスイッチでしか照明が点滅しない 通電試験

引っかけになりやすいのは、次の2つです。

  • 絶縁抵抗の測定では、つながりは分からない。つながりは導通試験、動作は通電試験
  • 「電気を送る前に」とあれば、通電試験は答えにならない

まとめ

  • 順番は 目視点検 → 絶縁抵抗 → 接地抵抗 → 導通試験 → 通電試験
  • 覚え方は「見る → 測る → 送る」。電気を送る通電試験は最後
  • 目視は種類・表示・取付け、絶縁抵抗は漏れ、接地抵抗は接地の効き、導通はつながり、通電は動作
  • 隠ぺい配線の目視点検は、隠れる前に行う
  • 導通試験は電源を切って、回路計の抵抗レンジで

検査方法は、仕組みと数字を押さえれば点にしやすい科目です。暗記の科目から固める進め方は「第二種電気工事士の学科は参考書なしで受かる?」で、試験の概要は第二種電気工事士(学科)のページで確認できます。

電工二種の練習問題を解く