酸化と還元は「反対の変化」で、必ず同時に起こる
| 酸化 | 還元 | |
|---|---|---|
| 酸素 | 受け取る | 失う |
| 水素 | 失う | 受け取る |
| 電子 | 失う | 受け取る |
1つの反応の中で、どれかが酸化されれば、別のどれかが還元されています。片方だけが起こることはありません。
例:酸化銅(Ⅱ)に水素を通して加熱すると、CuO + H₂ → Cu + H₂O。酸化銅は酸素を失って銅になったので還元された。水素は酸素と結びついて水になったので酸化された。
酸化剤と還元剤は「相手に何をしたか」
まぎらわしいのが、酸化剤と還元剤です。名前は「相手に何をするか」で付いています。
- 還元剤:相手を還元する物質。そのかわり、自分は酸化される
- 酸化剤:相手を酸化する物質。そのかわり、自分は還元される
製鉄所の高炉の反応 Fe₂O₃ + 3CO → 2Fe + 3CO₂ では、一酸化炭素(CO)が酸化鉄から酸素を奪って二酸化炭素になっています。CO は相手を還元し、自分は酸化されたので、還元剤です。
マグネシウムを燃やす反応 2Mg + O₂ → 2MgO でも、マグネシウムは酸素と結びついて酸化され、相手の酸素を還元しているので、還元剤としてはたらいています。
水素のやり取りでも判断できる
酸素が出てこない反応でも、水素のやり取りで判断できます。エタノール(C₂H₅OH)から水素原子が2個取り去られてアセトアルデヒド(CH₃CHO)になる変化は、水素を失っているので酸化です。
さびも燃焼も「酸化」。違いは速さ
雨ざらしの鉄くぎがゆっくりさびるのも、スチールウールに火をつけて燃えるのも、どちらも鉄が酸素と結びつく酸化です。違いは速さで、熱と光を出しながら激しく速く進む酸化を燃焼といいます。
さびもゆっくり熱を出しています。使い捨てカイロは、鉄粉が酸化するときの熱を利用したものです。反対に、鉄鉱石(酸化鉄)から酸素を取り去って鉄にするのは還元です。
燃焼の仕組みは「乙4の物理・化学がわからない人へ」でも解説しています。
イオン化傾向は「陽イオンになりやすさの順番」
金属が電子を失って陽イオンになりやすい順番を、イオン化傾向といいます。大きい順に次のとおりです。
K、Ca、Na、Mg、Al、Zn、Fe、Ni、Sn、Pb、(H₂)、Cu、Hg、Ag、Pt、Au
腐食の問題では、「鉄(Fe)より大きいか、小さいか」が鍵になります。
鉄より大きい金属は「身代わり」になる
種類の違う金属が水分を通してつながると、イオン化傾向の大きい金属が先に溶けます。
- 地中の鉄の配管にマグネシウムをつなぐと、マグネシウムが先に溶けて鉄を守る(犠牲陽極)
- 亜鉛めっきの鉄板(トタン)は、傷で鉄が見えても亜鉛が身代わりに溶けるので、鉄がさびにくい
鉄より小さい金属は「腐食を早める」
- 地中の鉄の配管に銅の部品がつながっていると、鉄が先に溶ける側に回り、腐食が早く進む
- スズめっきの鉄板(ブリキ)は、傷口では鉄のほうが先に溶けるので、かえってさびが進みやすい
さびやすい場所
鉄がさびるには、水と酸素が必要です。塩分があると電気が流れやすくなり、腐食が速く進みます。海水のしぶきで濡れたり乾いたりする場所は、水・酸素・塩分がそろい続けるので、とくに腐食しやすくなります。塗装や防食テープ、油の膜は、鉄の表面に水と酸素が届くのを防ぎます。