乙4

乙4の酸化と還元・イオン化傾向。さびと燃焼を同じ仕組みで覚える

酸化と還元は「反対の変化」で、必ず同時に起こる

酸化 還元
酸素 受け取る 失う
水素 失う 受け取る
電子 失う 受け取る

1つの反応の中で、どれかが酸化されれば、別のどれかが還元されています。片方だけが起こることはありません。

例:酸化銅(Ⅱ)に水素を通して加熱すると、CuO + H₂ → Cu + H₂O。酸化銅は酸素を失って銅になったので還元された。水素は酸素と結びついて水になったので酸化された。

酸化剤と還元剤は「相手に何をしたか」

まぎらわしいのが、酸化剤と還元剤です。名前は「相手に何をするか」で付いています。

  • 還元剤:相手を還元する物質。そのかわり、自分は酸化される
  • 酸化剤:相手を酸化する物質。そのかわり、自分は還元される

製鉄所の高炉の反応 Fe₂O₃ + 3CO → 2Fe + 3CO₂ では、一酸化炭素(CO)が酸化鉄から酸素を奪って二酸化炭素になっています。CO は相手を還元し、自分は酸化されたので、還元剤です。

マグネシウムを燃やす反応 2Mg + O₂ → 2MgO でも、マグネシウムは酸素と結びついて酸化され、相手の酸素を還元しているので、還元剤としてはたらいています。

水素のやり取りでも判断できる

酸素が出てこない反応でも、水素のやり取りで判断できます。エタノール(C₂H₅OH)から水素原子が2個取り去られてアセトアルデヒド(CH₃CHO)になる変化は、水素を失っているので酸化です。

さびも燃焼も「酸化」。違いは速さ

雨ざらしの鉄くぎがゆっくりさびるのも、スチールウールに火をつけて燃えるのも、どちらも鉄が酸素と結びつく酸化です。違いは速さで、熱と光を出しながら激しく速く進む酸化を燃焼といいます。

さびもゆっくり熱を出しています。使い捨てカイロは、鉄粉が酸化するときの熱を利用したものです。反対に、鉄鉱石(酸化鉄)から酸素を取り去って鉄にするのは還元です。

燃焼の仕組みは「乙4の物理・化学がわからない人へ」でも解説しています。

イオン化傾向は「陽イオンになりやすさの順番」

金属が電子を失って陽イオンになりやすい順番を、イオン化傾向といいます。大きい順に次のとおりです。

K、Ca、Na、Mg、Al、Zn、Fe、Ni、Sn、Pb、(H₂)、Cu、Hg、Ag、Pt、Au

腐食の問題では、「鉄(Fe)より大きいか、小さいか」が鍵になります。

鉄より大きい金属は「身代わり」になる

種類の違う金属が水分を通してつながると、イオン化傾向の大きい金属が先に溶けます。

  • 地中の鉄の配管にマグネシウムをつなぐと、マグネシウムが先に溶けて鉄を守る(犠牲陽極)
  • 亜鉛めっきの鉄板(トタン)は、傷で鉄が見えても亜鉛が身代わりに溶けるので、鉄がさびにくい

鉄より小さい金属は「腐食を早める」

  • 地中の鉄の配管に銅の部品がつながっていると、鉄が先に溶ける側に回り、腐食が早く進む
  • スズめっきの鉄板(ブリキ)は、傷口では鉄のほうが先に溶けるので、かえってさびが進みやすい

さびやすい場所

鉄がさびるには、水と酸素が必要です。塩分があると電気が流れやすくなり、腐食が速く進みます。海水のしぶきで濡れたり乾いたりする場所は、水・酸素・塩分がそろい続けるので、とくに腐食しやすくなります。塗装や防食テープ、油の膜は、鉄の表面に水と酸素が届くのを防ぎます。

まとめ

  • 酸化は酸素を受け取る・水素を失う・電子を失う。還元はその反対
  • 酸化と還元は必ず同時に起こる
  • 還元剤は相手を還元し、自分は酸化される
  • さびも燃焼も酸化。燃焼は熱と光を出す速い酸化
  • イオン化傾向が鉄より大きい金属は身代わりに溶け、小さい金属は鉄の腐食を早める

物理・化学は、計算も含めて仕組みからつかむと崩れにくくなります。「乙4の熱量計算」や「静電気の問題」もあわせて読んでみてください。物理・化学は漫画でも学べます(第1章は無料)。

乙4の練習問題を解く