電工二種

電工二種の学科に落ちた人へ。合計6割を取れる科目で積み直す次の一手

落ちたのは「全部だめだった」からではない

学科に落ちると、「最初から全部やり直さないと」と思いがちです。でも、そうとは限りません。

第二種電気工事士の学科は、四肢択一の50問です。合格基準点は60点(電気技術者試験センターの受験案内による)で、50問の6割、30問の正解がひとつの目安です。そして、科目ごとの足切りはありません。

つまり、不合格は「どこかの科目が0点だった」ではなく、「合計が30問に届かなかった」ということです。足りなかったのは、もしかすると数問かもしれません。次の一手は、その足りない数問をどこで取るかを決めることから始まります。

まず「何問足りなかったか」を数える

解答を控えていれば、自己採点で数えます。控えていなければ、解いたときの手応えで、科目ごとに「取れた・半分くらい・ほぼ取れなかった」を書き出します。

はっきりしないときは、短い診断で科目ごとの今の実力を測り直します。試験から日がたつと、覚えていたことも抜けていきます。いまの実力を測るほうが、次の計画には役に立ちます。

足りなかった数で、次のやり方が変わります。

足りなかった問題数 次のやり方
1〜3問 取りこぼした暗記の科目を埋める。計算は、いま解ける形だけ確実に
4〜8問 配線図と暗記の科目を一から固め直す。計算は後回し
それ以上 勉強の順番から組み直す。配線図 → 暗記の科目 → 計算

取れる科目で点を積む

足切りがないので、苦手な科目を全部つぶす必要はありません。覚えたぶんがそのまま点になる科目から積み直すのが近道です。

出題の目安(資格転生の分析、回によって前後)では、50問のうち配線図が約20問、器具・材料・工具、施工方法、検査方法、法令の暗記の科目が合わせて約20問、計算が中心の2科目が約10問です。配線図と暗記の科目で30問に届けば、計算が取れなくても合格の目安に届きます。

配線図:記号と文字の意味を「言える」ように

配線図は、図記号や添えてある文字の意味を知っていれば答えられる問題が多い科目です。たとえば、コンセントの記号に添えた「WP」は防雨形(雨のかかる屋外で使う形)。配線の線の描き方は、天井の中を通す配線が実線、床の下を通す配線が破線、壁や天井の表面に見える形で通す配線が点線です。

落ちた人に多いのは、「見たことはあるが、意味を言えない」状態です。記号を見たら、その意味を声に出して言えるかで確かめます。

暗記の科目:数字には境目と理由をつける

施工方法・検査方法・法令は、数字や決まりを覚える科目です。数字は、境目と理由をセットにすると、引っかけの選択肢に気づけます。

  • 接地工事:低圧の機械器具の金属製の外箱は、使用電圧300V以下なら D種、300Vを超えるなら C種。境目は300V(くわしくは「電工二種の接地工事の種類」)
  • 絶縁抵抗の測り方:電線と電線の間を測るときは、負荷を外し、スイッチは入れる。負荷をつないだままだと、負荷を通って電線どうしがつながり、低い値が出てしまうから(くわしくは「電工二種の絶縁抵抗の値と測り方」)

法令:現場の場面に置きかえる

法令は問題数が少ないぶん、取りこぼすと痛い科目です。条文の言葉のまま覚えるより、現場の場面に置きかえます。

  • 電気工事の作業をするときは、電気工事士の免状を持っていなければならない(自宅に保管、コピーを掲示、では足りない)
  • 電気用品安全法の表示(PSEマーク)のない電気用品は、電気工事に使ってはならない。施主が持ち込んだ物でも、施主が同意しても同じ

計算はどうする?

計算が中心の科目は、出題の目安で約10問です。ここで落とした人も、全部をやり直す必要はありません。

基本の式1つで解ける問題(オームの法則、電力、単相2線式の電力損失など)だけ拾い、何段階もかかる問題は後回しにします。どこまで拾うかの線引きは「電工二種の計算問題は捨てていい?」で整理しています。

やり直しで避けたいこと

同じやり方を、もう一度最初から

前回と同じ教材を、同じ順番で最初から読み直すと、得意なところにも時間を使ってしまいます。時間を使うのは、点が足りなかった科目だけです。

答えの番号で覚える

問題を何度も回すうちに、問題文の書き出しで答えの番号が浮かぶようになったら注意が必要です。本番では、同じ知識を問う問題でも、数字や場面が変わります。誤りの選択肢がなぜ誤りかまで言えるようにします。くわしくは「電工二種の過去問の使い方」で解説しています。

試験の直前にまとめてやる

仕事をしながらなら、休日にまとめて何時間よりも、毎日短く続けるほうが抜けにくくなります。

次の試験までの進め方

  1. 科目ごとに今の実力を測る。前回取れていた科目が下がっていないかも見る
  2. 配線図と暗記の科目に、時間の半分以上を使う
  3. 計算は、式1つで解ける形だけ拾う
  4. 試験の1〜2週間前は、本番と同じ50問・120分で通して解く。合計で30問を超えるかを見る

1日30分ずつ進める計画の例は「第二種電気工事士の学科の勉強時間と進め方」にまとめています。

一度受けた人の強み

落ちた直後は、しばらく問題を見たくない気持ちになるのが普通です。それでも、記憶が新しいうちに「どこで手が止まったか」だけはメモしておきます。数日たつと、どの問題で迷ったかを思い出せなくなるからです。メモは、次の計画のいちばんの材料になります。

一度受けた人は、試験の時間の感覚も、問題の形も知っています。どこで手が止まったかも、自分でわかっています。そこは、初めて受ける人より有利な点です。足りなかった数問を、取れる科目で取り返しにいきましょう。

まとめ

  • 学科は合計で6割(30問)が目安。科目ごとの足切りはない
  • まず、何問足りなかったかを数える。わからなければ診断で測り直す
  • 配線図と暗記の科目から積み直し、計算は式1つで解ける形だけ拾う
  • 同じやり方での読み直しと、答えの番号での暗記は避ける

試験の概要は第二種電気工事士(学科)のページで確認できます。

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